国内の急性心不全による入院患者の全死亡、全死亡及び心不全による再入院を、HFpEF、HFrEFに分けて見
た研究では、左室駆出率によって予後は変わらなかったことが報告されています。このことからも生命予後改
善を考慮した心不全治療は、左室駆出率に関わらず重要であると考えられます。今後心不全は増加の一途を
たどると言われていることからも心不全治療における生命予後改善はわが国における重要な課題のひとつで
あるといえるでしょう。しかしHFpEFの薬物治療において、死亡もしくは再入院といった、いわゆるハードエン
ドポイントに対する有効性を主要評価項目で立証した薬剤はなく、治療薬開発が望まれてきました。