コミュニケーションのあり方が大きく変わった今、オンライン・コミュニケーションの特異性を深く理解し、会議を有意義なものにしたい。Web会議で存在感を増し、会議を心地よくするための心構えとスキルについて、テレワークの導入支援では第一人者の森本登志男氏が解説します。

ICT(情報通信技術)の世界は、技術の進歩と普及によって機能や性能などはあっという間に古く陳腐化したものになります。したがって本シリーズでは、現時点で新しく流行っている機能や使い方を追いかけず、ツールもZoomは使いますが、「Zoom以外のツールも見ておいた方が良い」というトーンで語りたいと思います。インターネットの黎明期90年代前半から中盤、ブラウザの主流となるツールは短期間で移り変わりました。モザイク、ネットスケープ、Internet Explorer(IE)などなど。急に普及してきたWeb会議ツールの世界はまさに、インターネットの黎明期にモザイクからネットスケープに主流が移った頃にあたるとみています。この後の変化は必ず起こるものと想定し、新たなツールにもどんどんチャレンジしていくことの重要性も触れて行く予定です。

また、オンラインコミュニケーションの広まりに伴い、数年後に改めて使い始めようという人には、「今さら聞けない」という状況が生まれるでしょう。そんな数年先に見ていただいても、陳腐化していないように、本シリーズでは、Web会議ツールの機能の操作法ではなく、どんな機能を使って会議の中でどう振る舞うか?どんなプレゼンをするのか?といった陳腐化しにくい基本的な姿勢の紹介・説明を多くしています。

アドバイザー 
森本 登志男(キャリアシフト株式会社代表取締役
/総務省委嘱 地域情報化アドバイザー/テレワークマネージャー )

京都大学工学部卒業。1995年マイクロソフト入社。
2011年4月からの5年間、佐賀県の最高情報統括監(CIO)として、地方行政の現場でのICT利活用に取り組み、2014年から県庁の全職員(約4000人)を対象としてテレワークを導入するなどの成果を上げる。
2016年からは、総務省よりテレワークマネージャーの委嘱を受け、2021年までに104回、自治体や民間企業に派遣され、テレワーク導入の伴走支援を行っている(制度初年度より、4年連続派遣件数1位。現在も継続中)。