「この患者さんはなぜ説明を理解してくれないのだろう」「なぜそんな意思決定をするのだろう」といったような、患者との“すれ違い”を感じた経験は、医療者であれば1度ならずあるのではないだろうか。どれだけ情報を与えても医療者が考える“望ましい”結論に至らない患者がいるのはなぜか――行動経済学を知れば、その答えが見つかるかもしれない。2022年4月に刊行された「実践 医療現場の行動経済学(東洋経済新報社、2022年)」の編著者で大阪大学大学院人間科学研究科学研究科准教授、平井啓氏に医療者と患者のコミュニケーションの心得を聞いた。
