本剤は肝臓と血漿中で代謝されますが、半減期は3.5~3.7分であり、代謝物には活性がほとんどないことから[1]、安全性の観点では投与量を調節する必要はないと考えられます。
ただし、重篤な肝機能障害のある患者さんの場合は薬剤の代謝が影響を受けるおそれがありますので、慎重に投与してください。
<使用成績調査の概要>[2]
安全性解析対象症例3,768例中、3.34%(126/3,768例)が肝機能障害患者であった。
安全性解析対象症例126例における副作用発現症例は1例であり、副作用発現症例率は0.79%(1/126例)であった。肝機能障害(無)の患者における副作用発現症例率は0.89%(32/3,608例)であった。
<肝障害患者におけるや薬物動態>[1]
肝障害患者6例(Child-Pugh分類A:5例、B:1例)及び健康成人6例に0.06mg/kg/minで1分間投与後、0.02mg/kg/minで60分間静脈内持続投与したとき、全血中濃度のCmax及びAUC0-∞はそれぞれ1.42及び1.44倍、肝障害患者で高く推移したが、T1/2は4.0分であり、健康成人と差がないことが示された。
注)本剤の用法・用量は、「ランジオロール塩酸塩として、1回0.125mg/kgを1分間で静脈内投与する。」
である。
[1]コアベータ静注用12.5㎎ 添付文書 2020年6月改定(第1版)
[2]コアベータ静注用12.5mg 使用成績調査結果の概要 2017年2月作成